私の心臓手術記録




心臓手術に至るまでの経過

昨年の春頃から喉に痰がたまるようになった
主治医に相談したところ心臓の音を聴診器で聞いてこの雑音は多分心臓弁膜症だといわれた

秋になり近くの循環器内科で受診してもらったら 間違いなく心臓の僧帽弁閉鎖不全症だとの事
僧帽弁閉鎖不全症とは左心室から全身に送り出されるはずの血液の一部が左心房に逆流してしまう状態です
全身へ送り出す血液量が減り 左心房は拡張するというので
半年以上の期間を開けて 今年の春その循環器内科で診てもらう
この頃からウォーキングの速度が落ち坂道で少し息切れしたり 風呂に入ると疲れていた

エコー検査では明らかに逆流が増えているのが分かる また心臓もかなり肥大してきている
妻を付き添いにして もう少し設備の整った市内の総合病院で診てもらった
ここの診断もやはり 僧帽弁の糸が切れている すぐ手術したほうがいいという見方だった

6月にでも心臓手術出来る大分市内の病院に入院するつもりだった
だが4月の終わりからひどい肺炎になって 別の総合病院に入院した
その総合病院でもついでにエコー検査を受けたら ここの内科医からもう手術するべき時期だといわれる

肺炎の治療が長引き 結局心臓手術で実績のある鶴崎駅前の岡総合病院を受診したのは6月19日
検査項目が多く1日では終わらない 6月22日にも他の検査を受けた

手術前に撮影した造影剤を使った私のMRI心臓外側画像 この画像はとても鮮明できれいな心臓だとわかる
心臓内部にある僧帽弁の写真はエコーで分かる 0290001605.jpg

そして7月中旬の連休で帰ってくる東京の長男夫婦らと会った後の 7月18日岡病院に入院した
入院する病室は2人部屋にしてもらった
病室に案内される 5階が外科患者の病棟である
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眺めがいいのである 大分銀行ドームも見えるし近くに大野川の支流乙津川の流れが
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入院に際しては多くの書類に家族の署名が必要となる
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青いおもちゃのようなもので暇があれば呼吸訓練をする
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口で加えて吸い込むと揚がるしかけで真ん中辺に球を止める訓練だ これが難しい
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僧帽弁閉鎖不全症とはその治療方法

心臓には4つの部屋があり収縮と拡張を繰り返し肺で酸素をもらった血液が左心房に帰ってきて
全身に血液を送る部屋を左心室と呼んでいる その二つの部屋の間に僧帽弁があり開いたり閉じたりしている
私の心臓内ではこの僧帽弁が糸がきれてうまく閉じないので心臓が収縮を繰り返すたび
3割以上の血液が逆流していたのだ

手術の目的は逆流を減らす事である
大動脈と心臓の右心房に太い管を差し込みこの管を人工心肺装置に接続し心臓と肺の動きを
人工心肺装置で代行させその間に心臓を止めて数時間の間に手術するのだ
胸の真ん中をまっすぐ切って心臓を取り出すのは医者にとっては手術しやすい方法だが
私は手術後の痛みが軽い横腹を切って内視鏡をいくつか差し込んで手術してもらう方法を頼んだ
この方法はまだやり難く難しい手術だそうだが 私にとって手術後の経過が楽な方法をしてもらった

手術前日

口腔外科で口の清掃をしてもらって 入浴入浴後消毒液で体を拭く
入院前から舌が荒れていて痛くアミノ酸補給の「アルジネートウォーター」が酸っぱく舌に浸みて痛い

入院3日目 手術当日

「アルジネートウォーター」を飲む 病室で丸裸にされ感染予防のため全身の毛を剃られる
手術用の服に着替えて手術室前に 午前9時だ次男家族も手術室前で入室を見送る
手術台に乗せられ 動脈に点滴を差し込まれ 麻酔薬をいれられ すぐ麻酔で深く眠ってしまう
手術自体は6時間くらいだそうだ 妻に聞いたら夕方6時半頃手術室からICUへ運ばれた
外に取り付けた人工心肺装置で体を生きたまま心臓を止めて手術をするので
1000ccくらいの輸血をしたと後で聞いた

集中治療室ICUで目を覚ます

ICUで看護師さんなどが私の名前を読んでいるのが聞こえる 聞こえるのだがこちらは
目を開けることも手を動かす事も出来ない そのうちやっと目がひらいた 看護師さんが見える
同時に痛みが胸と右横脇腹に襲ってくる 時間を尋ねると9時15分だった 12時間も麻酔で寝ていたのだ
このとき私の体にはいろんなチューブがつながれている 尿管もつながっているし
脚の付け根も首にも3本ずつくらい管が入っている 心電図の線も点滴も 苦しかったのは
酸素が強制的に鼻の穴にチューブで送られてくるのだが 口を開けていないと息を吐けないので
口が開きっぱなしでものすごく口が乾くのだ水が欲しい これは苦しかった
水と云っても水はまだ飲めないガーゼで口の中を湿してくれるだけだ
喉が痛い 舌も痛い
結一睡もできず朝を迎える 夜のこの間がものすごく長い長い一晩だった
痛み止めの注射のせいなのか幻覚も見る 隣の部屋で大きな笑い声がするのが聞こえるのだ
多分 幻覚作用だったのだろう
傷口は小さいのでクローン病で小腸の3分の2を摘出した時に比べれば痛みは数分の1だった
クローン病では痛みがひどくて数日間全く動けなかったのだから

手術翌日からリハビリ開始

脚の付け根と首から入っていたチューブの何本かが抜ける
首からは点滴が入っているようだ
体の横には汚れた血の入った入れ物2個が置いている 傷後からパイプが2本入っていて
このドレーンから肺の周りに出る汚れた血液や水を抜き取っているのだ

入院時からリハビリしているのだが担当のリハビリ看護士が今日歩いてもらいますという
結局手術した翌日ICUの部屋の中を往復歩かされた 体にはまだいくつもチューブがついたままである
そうして多分この日の内に 元の5階の自分の病室に戻されたのだ おむつもしたままだ

手術から3日目 首から大きなチューブが抜けた 尿管も取れた残っているのは点滴用のチューブと
心電図の線とナース室へ心電図を送信する機械と 傷口につながった重たいドレーンのパック2本である
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手術から4日目の7月24日

移動するとき首にかけていたあの重たいドレーンを2本抜いた 心電図もとれて身軽になった
首の傷はカテーテルが入っていた後で 心臓手術は右わき腹だけである
脇腹に何本かの内視鏡が心臓までいれられ内視鏡でみながら心臓内部の手術をしたのだ
おかげで体の真ん中に縦に大きな傷跡を残さず手術できた 後で聞いたら九州の病院で始めての成功例だそうだ
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舌や喉が痛い

入院前から痛かった舌が手術後更に痛くなった 下の写真はかなり良くなってから写したものだが
手術後は下の真ん中にもっと真っ赤な色で縦に筋が入っておりしゃべるのもままならなかった
食べるのも痛いし大変だった 歯科で診てもらったら挿管チューブが舌を傷つけたのだろうという診断だ
喉もまだ少し痛い それと手術中不自然に手術しやすいよう体が傾けられていたので いつまでも
肩や背中の痛みが取れない 湿布を当てるしかない 食事はおかゆにしてもらっている
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手術後よく咳が出る 胸が痛いが思い切って咳をすると痰が出る
肺にたまったゴミなどを痰として排出しているのだろう 退院する頃には咳する回数が減った

リハビリも継続中

手術後8日目の午後 自転車こぎの試験をリハビリ室でやった
これがその自転車だ
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普通は自転車は負荷をかけずにやるのだが 今回は試験でどこまで心臓が持つかのテストだ
まず心電図の線を体中に取り付ける
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血圧計も腕に巻き付け マスクをして吸入する酸素量や排出する二酸化炭素の量を測りながら
負荷を強くして自転車をこぐのだ
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7月27日手術後1週間で手術した僧帽弁がうまく働いているかエコーも撮影

3階を初めて歩いてみた
病室の窓から3階にオープンガーデンが見えるからだ
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岡病院会長が東南アジアを歴訪した時買ってかえった大きな像の置物がある
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この外側がオープンガーデンであった
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からだ情報室という図書室もあり入院中3冊の本を借りて読んだ
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病院で誕生日を迎えた

7月31日手術して11日目を迎えた74歳になった
リハビリ室のウォーキングマシンで歩く練習だ
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歩くスピードは時速3.5kmに設定し20分間の歩行訓練 体力作りにジムへ通った事は無いので
最初は バランスがとれず難しかったが 2日目なのでどうにか歩けた 動画でご覧ください


手術前の7月19日と手術後の7月31日にリハビリ室で試験を受けた
その結果が下の写真だ
例えば握力テストでは 手術前39.1(右) 32.5(左) が手術後41.2(右) 36.2(左)
膝のキック力も手術後の方が力がついている 特に左脚の蹴る力が術前19.6が術後30.2 これは驚きだった
手術の効果がはっきりこのテストで示されたのだった
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リハビリを終えて病室に帰るとスマホに妻からの着信が
妻に電話すると病院から電話があって
 「明日退院してもらいますので 午前9時頃病院へ来てください」と電話があったそうだ

その日の午後 病院看護師とカメラを構えたスタッフがやってきた
今日で最後の「抜糸」である 抜糸のあと 傷跡を写真に撮るというのである
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九州内の病院の中で今回の私の心臓手術が内視鏡だけの操作で出来たのは初めての快挙だというのである
それでこうして写真を撮られたのである 下の写真は看護師さんに私のスマホで撮ってもらった自分の写真
手術から11日目でここまで回復したのだ 内視鏡による手術なので傷跡が小さい
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もちろん胸の真ん中に胸を割る長い手術傷もついていない
昔の3回した お腹の傷跡だけだ
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病院での最後の夕食である 誕生日カードが添えられて小さなケーキもついていた
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いよいよ退院

入院してから15日目8月1日 朝9時妻が迎えに来た
妻と一緒に先生から今回の手術についてと今後の生活の注意点をうかがった
先生の指さす先のモニターをスマホで撮影させてもらった

実際の私の心臓の僧帽弁を手術している様子だ
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人工のリングを縫い付けて弁輪の形を整えている これらを内視鏡を見ながら操作して手術を行ったのだ
この人工リングにもひとつひとつに番号が登録されており何か問題があればメーカーが私に連絡する仕組みになっている
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手術前のエコー画面と 手術後のエコー画面を もちろん私自身の心臓である
カラーより白黒の方が弁の閉じ方が解るがカラーは逆流する血液がわかる
最初は手術前 逆流がものすごく多い事がわかる
手術して弁が正常に動くようになると逆流はほとんどなくなっていた

その動画であるクリックして再生してご覧ください


すぐそのまま会計を済ませ退院したまだ 自分で車は動かすのは難しそうなので妻の運転で我が家に帰った
とても暑い 今まで温度管理された病院内だけで過ごしてきた身なので 特別暑さが堪える
また胸が締め付けられるように痛い リハビリも自宅ではできず 早めに寝た
病院のベッドは狭くおまけに柵もあり手やあちこちを柵で打ち痛かったが 我が家のベッドは快適だった
翌朝8月2日の5時からリハビリにウォーキングしてみた 30分間歩いてみた
ノルディックポールは手に重たいので何も持たずに歩いた
もう少しあと1週間くらいでで元の体に戻れそうな予感がした 今月中にもう一度岡病院で診察を受ける事になっている
病院のスタッフの皆さまお世話になりました みなさん親切に接してくれて感謝申し上げます

私は今まで心電図などで異常があったことがないし だいたい痩せているほうで血圧も低いし 適当に運動もしている
コレステロールも高くないし クローン病なので食べるものも注意しているし 酒や煙草も飲まないし
なぜ急に僧帽弁閉鎖不全になったのか 理由は結局わからなかった 手術しなかったら
心不全などでぽっくりあの世へ行ってしまうだろうが 手術したからしばらくは生き延びるだろう

自宅でも血圧計で自己管理ノートを付けています
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今回の手術で人工のリング状のものが心臓に取り付けられた事で その部分に血栓がついて開閉の
障害になったり 血栓が剥がれれば脳梗塞を起こすという事があるので血が固まりにくくするワーファリンという
薬が処方されますが 納豆とか緑黄野菜とかは相性が悪いなどと聞かされました

入院前には緑だった稲穂も 8月3日自宅前の田んぼが黄色くなり稲穂が垂れ下がって来て季節の進みを感じた
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